A clown of azure….Il primo atto≪序幕≫

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2025年05月04日 (Sun) CATEGORY:

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2011年03月22日 (Tue) CATEGORY:秘密の隠し部屋 COMMENT:0

未だ日に照らされず、しんと澄む空気の中、静かに起き上がる。

窓越しに外を見やれば、うす暗く、霧が立ち込める街。

今日、お祭りが催されるとは思えない程の静寂。

普段なら、早起きなんて無理。

でも、今日は何もかもが違う。

まるで誰かがいるように、囁く。

「おはようございます世界。本日は穏やかなようで。」

親愛なる世界へ、密やかなる皮肉を込めて。

何故なら、道化は世界の嫌われ者だから。

そこにいるのは、すでに偽王。

部屋に鏡と言うものは存在しない。

「自分を見ると言う行為、ワタクシには到底理解しえません。」

知らぬ者が見たら、きっと分からないだろう布の塊。

ぴっちりしていてダボッとしている。

スカートでもありズボンでもある。

派手であったり地味だったり。

着れば尚更、男か女か分からない。

それでいい。

今日は、何を見せようか。

無垢なる子供に真理とは脆いもの。下手をしたら、ワタクシの存在が危ういかもしれません。

しかし今日は祭日。

ピエロとしての役もまた一興。真理が通じないのですから、道化もピエロもございません。

子供とは、なんと奇妙なものでありましょうか。

ごそごそと、物置から尻を出すのは崇高なる道化師。

手に持つのは、ナイフにトランプ、ボールにコイン。その他もろもろ。

ただおどけている存在だと甘くみる事無かれ。サーカス一多才であるのもワタクシ＜道化師＞にございます。

「今日は手品にいたしましょう。」

やがて外を確認すれば、多少のざわめきと温かな光。

棚の上にある宝箱。

鍵を開けると、白い仮面がありました。

そっと無言で見つめたのち、顔を上げた偽王には、白い面がついておりました。

はたまた布塊かと思いきや、手に取り広げる。

輝く月もなければ星もない、宵闇色の大きなローブ。

すっぽり人型に収まった宵闇は、扉へと動く。

世界へと、飛び込んだ。

扉の向こうから聞こえてくるのは、嫌われ者の偽王の声。

「さあさお立会！」

広場まで、子供たちの行列が見える。

＋：＋：＋

前回に引き続き、結局何が書きたかったんじゃこのやろうな更新第二弾。
上下にするつもりが上中下になったミステリー。もはやファンタジー狙えるんじゃないか？
書いてて後悔したけども、何だか意地で更新しました。
大して上と下には関係ないかもしれないので、スルーの方向ですね。

…いやぁ、ブログとかから離れると、ちょっとした事すら書けなくなるのか…。老いとは怖いものだね←

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