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紫煙群塔ラッドシティ――…
その名を聞いて、到底人ごとには思えなかった。
何だろう、知らないはずなのに、耳に響くその都市の名は。
胸が変にざわつく。
落ち着かない。
ざわざわ
ざわざわ
ざわざわ
麻酔でも掛かったように、全身に広がるさざ波。
落ち着かない。
どうしてこんなに、この身が竦むの?
空に雲は無く、煌々と輝く月を遮る物はなにもない。
部屋の明かりも点けず、月明かりの照らす中、自分は壁に掛るカレンダーを見る。
―今の自分はどちらなのだろうか。ボク?ワタクシ?はは、馬鹿馬鹿しいから自分でいい。
アンティークなお店で買ったそれは、唐草模様でありながら、シンプルなデザイン。
特に予定も何も書きこまれていない、新品同様のカレンダーに一か所だけ、スッと丸で印付けられた数字が。
丸は不規則に付けられ、1つの月もあれば、3つ4つも記された月もある。今月は、一か所だけ。
今日は丸の隣の日。もう半刻もすれば、記された日付へと時が変わる。
ああ早く、早く明日にならないだろうか。
こんなにも、ココロが弾む日々は久方ぶりだ。
明日は祭日。
市街はより一層賑わい、広場には屋台が並ぶ。
祭日…とは名ばかりな、お祭り好きの輩が始めた大きな蚤の市。
この日なら、「無礼講の王」も誰にも文句を言わせない。