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晴れでも曇りでもない、曖昧な天気。

仕事が終わって、帰宅。今日は何となく、いつもより気だるい。

(…帰って寝るかな…。)

珍しく下道をぶらぶら。鳥だって、時には地面を歩くさ。

ふと目に留まった、ソレ。

(……、…。)

玄関前、生まれて間もない鳥のヒナ。

(…、)

上を見つめる。

視線の先にはツバメの巣。2週間程前に、少し張り出た屋根の下に作られたのを、俺は知っている。

(…落ちたのか。)

興味本位で巣を覗いた事がある。

その時は確か、卵が4つ。

(あと3羽か…。)

今日の時点で、孵化した卵は2つ。うちの1羽。


(…、…。)

いつもなら、それでお終い。何もないさ。

天気がそうさせたのか、疲れのせいか、ヒナの前にしゃがみ込む、今日の俺。

(…死んだのか?)

見続けても、一向に動く気配の無いヒナ。

まだ目すら開いていないヒナは、小さいながらも、静かに死の匂いに包まれていた。

ふーっ。

長く、呼吸を思いだすかのような溜息。次には、小さな鳥を両手ですくい上げていた。

立ち上がり様、空を見上げると、向かいの家の屋根に鳥が留まっていた。

多分、親鳥。

ヒナを失った悲しみに暮れているのか、ただ住処の前に立ちはだかる人間を疎ましく思っているのか、ヒナを持つ俺を、見続けるツバメ。

(…、……。)

そっと、俺はヒナを抱えて裏庭へ向かった。

隅に在りながらも存在感を放つ、大樹とはまだ呼べぬが、苔むした木。

向かい様にスコップを拾う。

俺はヒナを、木の根元に埋めてやった。少し土を盛って、近くに落ちていた枝を突き刺す。簡単な、墓とも言えぬ墓。

ただそれだけさ。


2日目。

また、昨日と同じ曖昧な天気。

家に付いてまず目に留まったのは、昨日とはまた別の場所に落ちていた、ツバメのヒナ。

(…、…。)

ああ、なんともないさ。

空を見上げれば、2羽のスズメと2羽のツバメ。スズメを追い掛けるツバメ。何となく、スズメが楽しげに囀りを上げている気がする。

そうか、

(落されたのか…。)

なんともないさ、これが自然の摂理。

何も考えていない頭で、体はヒナをすくい、足は裏庭へと向かう。

俺はまた、ヒナを木の根元に埋めてやった。兄だか弟だか分からない、兄弟の隣に。

…それだけさ。


3日目。

少しだけ、雲の切れ間に日がちらつく、そんな天気。

家路につけば、昨日とはちょっと違った、それでも変わりないものが落ちていた。

(…、…?)

よく見れば、小さな命がもがいていた。

(孵化したのか…。)

残りの卵の、生き延びたヒナ。

少し離れた道路わきを見ると、ツバメとは違う、血の付いた茶色の羽根が落ちていた。

疲れた体に考えない頭で、昨日とは違い、ヒナをすくっては、屋根の隙間へと両手が伸びていた。

ああ、何をやっているんだろうか、俺。


4日目。

少し、雨の降りそうな空模様。

速足に家路につく。

玄関前に落ちていたのは、ヒナではなかった。

黒光りする、太くて大きな鳥の羽根。

ふぅ。

…ため息は出た。ただそれだけだ。

無心のハズの俺は、次には梯子を持っていた。途中、何故か親父に「そんな面してどうしたぁ」と言われた。

巣を除けば、未だ孵化をしていぬ卵が1つだけ。

(…、……。)

何も言う事はないさ。所詮、これが弱肉強食。仕方のない事だ。

降りて空を見上げても、親鳥の姿を見る事は出来なかった。


5日目。

よく晴れた天気。

いつもより早く仕事が終わった。

帰って来て玄関先を見ても、何も落ちていなかった。

何となく気になって、巣を見上げる。

何の変わり映えの無いツバメの巣。親鳥の姿も見えない。

あの卵は孵ったのだろうか?

そしてまた、日はめぐる。


あの日以来、俺は親鳥の姿を見る事は無かった。

残った卵も、いつの間にか消えていた。

多分、生まれるまでもなく、次の別の命へと紡がれたのだろう。



なんともない。ただそれだけさ。所詮これは自然の摂理、弱肉強食の世界。


鳥だって、魚だって、例外もなく人だって。

なんともないさ。仕方のない事だ。何も言う事は無い。

ああ、これだからこんな天気は嫌なんだ。

晴れでも曇りでもない、曖昧な天気。

「いってぇ…。」

脇腹に出来た、傷が痛む。





思った以上に長くなった。

なんとなく、むしゃくしゃしたので書きました。

完全スルーの方向で。


この前学校から帰って来た時に、家の玄関前にツバメのヒナが落ちて死んでました。
その時に切なくなるような音楽聞いてたもんで、すっごく切なくなっちゃいました。
外にいるついでだーと思って、庭に埋めてあげました。

…と、家に上がろうとしたら、さっきとは別の所にもまた鳥のヒナが落ちて死んでたんです…(;ω;)
このぉ!と思って巣を見たんですけど、崩れては無かったんで、カラスの仕業では無かったです。
仕方なしに、先に埋めたヒナの隣に埋めてあげました。
と、そこに事の元凶が。
なーんか、近所に巣食うスズメ、すっごく性格悪いんですよ。
毎年ツバメが来るたびに嫌がらせをしてくんですよ。決まって同じ2羽。
卵が無い時は、ゴミを巣に詰め込んでいきますからね。おかげで玄関先が汚くなる←
そんでもって、ヒナを埋めている私の頭上で、何が楽しいんだがピチピチふざけ合ってるスズメが2羽。
むしゃくしゃしたのでひたすら脅かして追っ払ってましたよ←
ツバメ、まだいるにはいるんですけど…、卵、孵るといいなー。

そんな鳥繋がりでソアでした。

だれか文才おくれ。

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