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※かなり長くなります、ご注意!※




目を開けると、そこは箱の中。

ここが何処だか、いつなのか、全く分からない。

分かるのは、俺が俺自身だと言う事だけ。

目に付くのは一面の赤、光のモノクロ。
宛ての無い記憶を頼りに、これが血だと言う事がかろうじで分かる。
光の加減で、今が夜だと、音を頼りに、雨が降っているとだけが分かる。

それはほんの一瞬で、すぐに俺が俺自身へと覚醒する。

(痛い)

全身に走る痛み。全身にある、致命傷では無い無数の傷。
返ってそれが痛く苦しい。流れ出る血、少量ではあるものの、止まらない。

(痛い)

身体が動かない。
動かないから、目を動かす。
瞳に映ったのは、

知らない
知らない
知らない子供

俺より小さな子供を抱きかかえ、扉の前で倒れる
2人の前に、斧を持ったまま倒れ伏す
3人とも、死んでる。3人とも、真っ赤にに染まっている。

(痛い)

何故か、胸の奥が酷く痛い。
俺は、泣いているのか…?何で、泣く?視界が歪んで、良く見えない。
全身が痛くて、思考がよく回らない…。

『~~!!!~~っ!!!!!』

うめき声が聞こえた。
分かっていた、とらえていたはずなのに、今まで存在しないとばかりに振るまっていた俺。
顔を向けると、何かがいた。

分からない、分からないんだ。

何かが確かにそこにいる。
光も当たり、姿も見えている。
なのに、分からない。
確かに、俺はそれを見たんだ。酷く頭に焼きついている。
でも、見ようとすると、分からない。靄がかかる。歪む。

カタカタと、体が震えている。

(怖い)

それだけが、俺の中に渦巻いている。何で…

『っ…~~!!~~っ~~~!!!!』

人間ではない。
うめき声もあるが、不確かな確信。
見えない中で、巨大な爪がある事が分かる。
動くそれには、生々しく血がこびりついている。

(怖い)

頭の中に響く、警告音。
そこにいる何かは、確実に俺を向いている。
見えない、理解出来ていなくとも、何故か頭が分かっている。
次は

(殺される…!)

身体が凍ったように、動かない。動けないでいた。
ここで逃げたら、この人たちを置いて行く事になる。そんなこと、俺には出来ない。
…なんで…?

『!!…っ~~~!!!』

何かが動く気配がした。
爪を床にこすりつけ、今にも飛びかかる寸前だ。

何もできない


目の前に、巨大な爪が振り下ろされるのが見えた。

≪ソア!逃げろぉぉ!!≫
≪ソアァ、逃げてぇぇぇ!!≫

まるで、身体に電気が走ったようだった。
爪の襲いかかる瞬間、とっさに身体を捻る。
俺を通り越して、戸棚に直撃する何か。今だ、逃げなくちゃ…。
体勢を立て直して、足を踏み出したとたん、腹部に走る鈍い痛み。

当てた手に感じる、生温かい感覚。

いつも見ているはずなのに、何故か、恐怖を感じる俺。手が、震えている。
これじゃ走れない…。血が、止まらない…。
(痛い、痛い、痛い。死ぬ…)
恐怖が俺を襲う。ふと、倒れた3人が目に入る。
次の瞬間、俺は走りだした。


走って、走って、無我夢中で走って、もう、何が何だか分からない。
痛い、苦しい、辛い。
俺は最後に、3人を見た。
3人とも切り裂かれ、所々、パーツが無かった。
部屋を出る時、名残惜しむかのように顔を見た。一瞬でも、心に刻むように。
頭に響く、声。
≪ソア、逃げて!!≫
涙が止まらない。顔が歪む。なんでこんなに、胸が苦しいんだ…。

何かは追って来ているのだろうか。
追われる事を恐れ、入り組んだ路地を走り続ける。
天気は最悪だ。土砂降りの雨。
腹部の傷が痛い。走っているせいか、血が止まらない。
雨と相まって、体の体温が奪われていく。意識が、薄れていく…。
自分は死ぬ、そう思った。

空が煌めき、引き裂くような音がする。雷だ。
でもその他に…、何か、聞こえたような…。
気を取られた瞬間、躓いて転んでしまった。

(やばい…、体が、動かない…。)

血を流し過ぎたと思った。
腹部の痛みも遠のき、全身の感覚が無い。


薄れていく意識のなか、涙だけは止まらなかった。
目は開けていくのに、黒く塗りつぶされていく世界。
記憶の錯綜が激しくて、何が何だか分からない。

俺はこの時、何を思ったんだ?

『…と……さん…、…ぁ…さ…ん……、っ……。』

今、なんて…?

やがて、視界全体が真っ黒になった。



そうすると、視点が変わる。

俺は俺の横に立っていて、背丈の違う格好をしている。
目の前の俺は、虚ろな目をして、息も絶え絶え。意識は多分、もうないだろう。
すると、男の声が後ろから聞こえた。

『なんだ!?モンスターの次は子供かよ!?
あん?…おい、怪我してんじゃねぇかよ!大丈夫か!?しっかりしろ!!』

そう言って、男は子供の俺を抱きかかえた。

『生きてるか!?おいしっかりしろ!!名前は!?お前名前は!?』

必死に語りかけられる俺。
何か言えよ…。そう思った時、最後の力を振り絞って、子供の俺は呟いた。

『……ソ…ア………。』

『ソアだな!?待ってろ、今助けてやるからなぁ!!』

男は子供を抱きかかえ、雨の中去っていった。
立ちすくむ俺は何も出来なくて、ただそこに立ちつくすしかなかった。

そしていつもここで、真っ暗になる。



▼△▼△▼△▼△▼△▼




汗をかいて、寝苦しくて、目が覚める。

外を見れば、まだ夜の明けきってない中途半端な時間。

胸の動悸が妙に激しい。

ああ、またいつものあれか。


ある日、俺は親父に拾われた。
訳はよく知らねぇ。思いだそうとしても、何も分からねぇ。

取りあえず、親父と生活するようになってから、偶にこんな日がある。

多分、夢を見てるんだとは思うが、覚えてない。
目が覚めると忘れちまう…。
残るのは、全身の倦怠感と酷い疲れ。
偶に、腹に出来た謎の傷も痛む事がある。それだけさ。

理由は分からない。
偶にとは言え、何年も悩まされ続けた。もう慣れた。

まだ朝までかなり時間がある。もうひと眠りといく事に決めた。
布団の中で寝がえりをうち、仰向けになる。
汗が酷いが、まぁいいだろう。腕を額にあて、ボソっと呟く。

「腹いてぇ…。」

今日は最悪だ、傷が痛む。






長くなってサーセン!
ソアの過去っぽい話にしてみました。

多分読んでいて意味分からなくなってると思います。
視点や伏線がごちゃまぜになっとります故!(殴

いや、視点はちゃんとしているはずなんだ。ただ自分には文才がないから読めないだけなんだ←

取りあえず視点としては、
夢=子供の時の記憶で、子供の時の自分に、今現在のソアが入っている状態。
記憶や思考は今の大人のソアのままなんですけど、何故か頭に流れこんで来るのは、子供の時に感じた気持ちや思い。
そして見る視点も子供のソア君が見たまんまの視点で夢が進みます。
夢って言うか記憶ですね。

分かり難い表記その1でもある、ソア君を襲った「何か」。
ここは特にこれだ!と言うワケでもないのですが、まぁモンスターです。爪の鋭い。
ただ、大人のソア君にはこの時の記憶がないので、その当時見た時の記憶が曖昧になっちゃってるんですよね。
深層意識の中では記憶があるのだけれども、通常の意識では認識出来ていない状態なので、足して2で割ったような感じで、分かる所は分かるけれども、分からない所は全く分からない。
見えてるけど見えない状態ですね。あれ、何言ってるか分からなくなってきた←

あとはー、最後に出てくる男は、今で言う親父ですね。
今じゃ酔っぱらってる位しか仕事してないのに、以外に強かったんだね←
因みにモンスターを倒したのも親父さんです。たまたま通りかかったんだよ。

この時点でソアは、助けられる以前の記憶をきれいさっぱり忘れてしまいます。
覚えてるのは名前だけかな?何故か耳に残っていたって言う…。
忘れたって言うよりかは、心の奥底にしまいこんでると言った方が正しいのか…?
だから何年も経っているのにも関わらず、こうして夢に出るわけですし…。
夢に見ても全て忘れるとか…、お前…。

設定としては、拾われた時の年齢は7~8歳前後位ですかね。

うん、書きたいたいと思っていた過去話の1つが書けてよかった…!
結果はどうあれね…!!

自己満足にお付き合いありがとうございました…!!
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