04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「…これでいいの…?」
「…貴方もそう望んだはずですのに…?」
「…そうだね…。」
一瞬の出来事で、事態を理解することさえ出来なかった。
轟音が聞こえたかと思った瞬間、冷たい水が自分を呑み込んだ。
ああ、水門の許容を越えてしまった水が、橋の上に溢れ出たのか…。
苦しい。
空気を求めて、一心に水面へと浮き上がる。
「…プハッ……ん…ぐ…」
勢いのある水に逆らうことが出来ずに、また水中に引き戻される。
泳ぐ程無駄。
水深はかなり深くて、上と下、まだまだある…。
苦しくて、辛くて、疲れたせいで、泳ぐことが出来ない。
苦しい…空気が欲しい…。
全身が酸素を渇望している…。
苦しいよ…。
何も考えられなくて、気が付いたら走ってた。
何処に向かっているの?
ここは何処?
どれくらい走り続けているの?
身体が冷えて、何も感じない。
だって、雨が降り続いているんですもの…。
土砂降りの雨で、辺りは暗くて視界は最悪。
でも、それでいい…。このままずっと降り続いて、自分を見えなくして欲しい…。
このまま、どこかへ行けるかな…。誰も居ない、何もないところへ…。
小さな、小さなSOS…。